10年ぶりの同窓会で再会した彼は次期社長のようです

「あの、帰ろうとしたら離してくれなくて、動かすと吐くって言うから……」

「お水と袋持って参りますね」

急いで部屋に戻ってきてくれた。

「あの……恥ずかしいんですが手を……」

「手?」


浴衣の紐で両手を後ろで縛られていた。

「あ、ちなみに恋人ではありません」

浴衣の下は裸だったけど、女性がせまったのね。

若女将は察して夏海を起こして土屋の紐をといた。

「気持ち悪い……」

「やばっ」

手が使えるようになった土屋は夏海をトイレに運んで出て来た。

「本当に申し訳ありませんでした、動けなくて……」

「いえ、お部屋内なので私どもはわからないので、たまたま宿泊を聞きにきただけなので」

「あっ、敦美」

急いで携帯を見ていた。

はぁとため息をついている。

「すみません、これから着替えるんで0時過ぎるので宿泊に付けてください、料金は先輩が払うので(笑)、あとタクシー呼んでもらえますか?先輩が迷惑かけて本当にすみません」

若女将に頭を下げた。

敦美にごめんと返信した。

フロントでタクシーを呼ぶとすぐに土屋はやってきた。


「22時頃まで従業員と話してたんですよ」

「従妹さんは怒ってましたか?」

「いいえ(笑)」

「明日謝ります、失礼します」
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