誓い~お前は俺が守る~
真実と白と黒
「あ?夏馬まで、お前等に止める権利はねぇんだよ!!?」

「父さん、聞いてほしいことがある━━━━━━」
夏馬が鈴蘭を見据え、落ち着いた口調で言った。


「天、浬人、スグル。
お前等三人も、聞いてほしい」

「父さんって、すずの中にいるのは親父さんなんすか?」
天馬が夏馬に言う。

「あぁ、そうだよ。
少し、話したことあるよな?
俺とすずの父親は、すずが小5の時にある事件で亡くなったと」

「「「はい」」」

「その事件は、XX年の◯◯区少年集団暴行事件」

「え……」
「そ、それって……」
「う、嘘…だろ……?」

天馬達には、覚えがある事件。
というより━━━━━大きく関わっていた事件だ。


「父さんは、ある三人の少年達を守って亡くなった」

「「「………」」」

「その少年達の名前は………
八乙女 天馬。
御園 浬人。
山勢 スグル。
━━━━━━ここにいる、お前等だ」

「は?天達が……?」
鈴蘭が目を見開き、天馬達を見る。

「父さんには、口ぐせがあった。
“家族は“血”じゃない。
その人と過ごしてきた“時間と関わり”だ”
当然、天達も知ってるよな?」

天馬達は、あまりの衝撃に声が出ない。
まさか“あの”男が、すずの父親だったとは━━━━━


天馬、浬人、スグル。
小学生の頃から、ずっと一緒だった。
性格は違うが、三人とも両親が忙しい家庭だったのもあり、いつも三人で過ごしていた。

小学四年の頃位から、夜も出歩くことが多くなり、中高生の不良達とよく遊んでいた。

そしてその頃………夏馬と鈴蘭の父親・鈴馬は、見回り隊のようなことをしていた。

当然、天馬達との関わっていた。

最初の頃は、反発ばかりしていた天馬達。
次第に、心を許していく。


『また来たの?おっさん』

『おっさんは、いつでも来るよ!
君達は、俺の家族みたいなもんだしな!』

『家族ー(笑)』
『ウケる~キモーい(笑)』

『そうか?
家族は“血”じゃない。
その人と過ごしてきた“時間と関わり”だ。
だから俺にとって君は“家族”だ』

真っ直ぐ見て言い放つ鈴馬に、天馬達は心が穏やかになっていた。
< 30 / 39 >

この作品をシェア

pagetop