非・溺愛宣言~なのに今夜も腕の中~【コミカライズ原作】
「確かに、一度検討してみてもいいかも知れない。コスト削減のために、既存製品を使うという考え方はある」
「共同開発ってこと?」
「そうだな。うちは今まで研究情報の漏洩を恐れて、製品はすべて自社で作ってきた。でもそれぞれの部品の専門企業に依頼するというのも、ありかも知れない」
「問題はどうやってその企業を探すか、だよね」
それからしばらく、湊斗と倉田は時間を忘れる程に意見をぶつかり合わせていた。
ようやく意見がまとまりかけた頃、研究室の扉が勢いよく開き、牧が飛び込んでくる。
「社長! ウイルス騒動の件で至急お伝えしたいことが……」
牧の声に三人の顔つきが一気に緊張する。
「すぐに行く」
湊斗は短く答えると、駆け足でシステム部へと向かった。
システム部にはすでに楠木がおり、硬い表情でディスプレイを覗き込んでいたが、湊斗の姿を見つけると軽く会釈をした。
牧は一毬たちに見えるように、ディスプレイをこちらに向ける。
「今回ウイルスの発動したパソコンが、総務部の共有パソコンだったため、誰がファイルを仕込んだのか、全く足取りがつかめない状況でした。そこで楠木さんから、別の視点で調べた方が良いと意見がありまして」
「共同開発ってこと?」
「そうだな。うちは今まで研究情報の漏洩を恐れて、製品はすべて自社で作ってきた。でもそれぞれの部品の専門企業に依頼するというのも、ありかも知れない」
「問題はどうやってその企業を探すか、だよね」
それからしばらく、湊斗と倉田は時間を忘れる程に意見をぶつかり合わせていた。
ようやく意見がまとまりかけた頃、研究室の扉が勢いよく開き、牧が飛び込んでくる。
「社長! ウイルス騒動の件で至急お伝えしたいことが……」
牧の声に三人の顔つきが一気に緊張する。
「すぐに行く」
湊斗は短く答えると、駆け足でシステム部へと向かった。
システム部にはすでに楠木がおり、硬い表情でディスプレイを覗き込んでいたが、湊斗の姿を見つけると軽く会釈をした。
牧は一毬たちに見えるように、ディスプレイをこちらに向ける。
「今回ウイルスの発動したパソコンが、総務部の共有パソコンだったため、誰がファイルを仕込んだのか、全く足取りがつかめない状況でした。そこで楠木さんから、別の視点で調べた方が良いと意見がありまして」