非・溺愛宣言～なのに今夜も腕の中～【コミカライズ原作】

「疲れが出たんだろうって、宮脇先生が。まだ妊娠初期だから、帰ったらちゃんと産婦人科に行くようにって言われた。無理させてごめんな」

　一毬の耳元に唇を当てる湊斗に、一毬はそっと首を横に振る。

「そんな、内緒にして驚かせようと思ったのは私ですし……。でも、昨夜の記憶が全くなくて……」

　そう言った途端、一毬の身体は優しくシーツに押し倒される。

　湊斗は悪戯っぽい笑顔になってにやりと笑うと、一毬の顔を上から覗き込んだ。


「宮脇先生に、なんて言われたと思う？」

「な、なんでしょう……？」

　一毬はそう答えながらも、つい懐かしさが込みあげてほほ笑んでしまう。


　――あぁ、私はこの言葉の続きを、もう知ってる……。


　湊斗はにんまりと口元を引き上げた。

　そして二人で同時に口を開く。


「「ただ、爆睡してるだけですね」」


　島の朝日が降りそそぐ中、二人はあははと声を上げ、何度もお互いを抱きしめ合った。