非・溺愛宣言~なのに今夜も腕の中~【コミカライズ原作】
呆れる倉田に、湊斗はふっと息を漏らすと、薄く目を開けて窓の外を見つめた。
「不思議とよく眠れるんだ。その時だけは、何もかも忘れられる……」
「へぇ。そりゃいいもの見つけたね」
倉田は適当に相槌を打ちながら、タクシーの運転手に停車場所を伝える。
タクシーは湊斗のマンションの前で静かに停車した。
「ほら、着いたぞ」
倉田は声をかけながらふと隣の湊斗の横顔を見て、はたと動きを止めた。
「……壊したくないんだ」
そう言った湊斗の瞳は、今まで倉田が見たことがないほどまっすぐに前だけを見つめていた。
――へぇ。それが、この子か……。
倉田は、目の前の一毬をじっと見つめた。
「君、湊斗の抱き枕なんでしょ?」
「だ、抱き枕って……そんな。ただ隣にいるだけです……」
「ベッドの中で?」
一毬は顔を真っ赤にすると下を向く。
「湊斗は、君が側にいると不思議と寝られる、って言ってたよ」
「そんな事はないと思いますよ。今だって、ぐっすり寝てますし」
一毬は小さく口をとがらせる。
「不思議とよく眠れるんだ。その時だけは、何もかも忘れられる……」
「へぇ。そりゃいいもの見つけたね」
倉田は適当に相槌を打ちながら、タクシーの運転手に停車場所を伝える。
タクシーは湊斗のマンションの前で静かに停車した。
「ほら、着いたぞ」
倉田は声をかけながらふと隣の湊斗の横顔を見て、はたと動きを止めた。
「……壊したくないんだ」
そう言った湊斗の瞳は、今まで倉田が見たことがないほどまっすぐに前だけを見つめていた。
――へぇ。それが、この子か……。
倉田は、目の前の一毬をじっと見つめた。
「君、湊斗の抱き枕なんでしょ?」
「だ、抱き枕って……そんな。ただ隣にいるだけです……」
「ベッドの中で?」
一毬は顔を真っ赤にすると下を向く。
「湊斗は、君が側にいると不思議と寝られる、って言ってたよ」
「そんな事はないと思いますよ。今だって、ぐっすり寝てますし」
一毬は小さく口をとがらせる。