スパダリ御曹司のお相手が、私でいいのでしょうか?~一晩だけのはずが溺愛が終わりません~
「私は訂正メールなど送信していない」
執務室に行き、瀧澤に直接事情を説明したが心当たりがないと言われてしまい、光莉はますます首を傾げた。送った覚えのないメールが届くことなんてあり得る?幽霊の仕業か?
混乱する光莉に代わり、柳瀬が訴え始める。
「瀧澤専務、最近取引先から急に距離を置かれたことは?メールの返信がこなくなったり、電話が取り次がれなくなったりだとか……」
「……何が言いたい?」
柳瀬は大きなため息をついた。
「……中野恭子ですよ」
犯人として名指しされた名前は意外でもなんでもなかった。彼女は光莉を脅した張本人だ。
「実は昔、私も同じ手口に遭ったんです。離席している間にパソコンのパスワードを解除して、本人になりすましてメールを送りつけるんです。役員室って完全な密室でしょう?多分、やりやすいと思いますよ」
瀧澤はしばし、無言で何かを考え込んでいた。
「情報提供に感謝する。早速調べさせる」