スパダリ御曹司のお相手が、私でいいのでしょうか?~一晩だけのはずが溺愛が終わりません~
調査した結果、柳瀬の予想は見事的中していた。
監視カメラを設置したところ、瀧澤が離席している間に中野がデスクの上に置かれていたノートパソコンを勝手に操作する様子がくっきりと録画されていた。
他人のパソコン、それも専務である瀧澤のパソコンを操作するなんて重大なコンプライアンス違反だ。
送信フォルダから削除されたメールも復元され、十分な証拠が集められた。光莉に送られたメール以外にも複数の余罪があった。どれも、下請け企業への取引停止を示唆するような高圧的なものだった。
中野は重大なコンプライス違反ということで、諭旨解雇となった。本人は不当解雇だと不服を訴えたが、彼女の叔父が表沙汰になることを恐れ、説得に当たってくれた。
「正直、彼女の言動には辟易していた」
優秀な秘書を失ったことに対し、瀧澤にはこれっぽちも未練がなかったようだ。
光莉はもし中野が二人の関係を社内の人間に漏らしたらどうするかを瀧澤に聞いてみた。
「誰に何を言われようと私は気にしない。君も何も心配せず私の傍にいればいい」
専務としての評判に傷がつくのではという懸念を、瀧澤は笑い飛ばした。
(本当にそれでいいのかな……)
瀧澤に甘え、守られてばかりの自分。傍にいられる嬉しさと、どうにもできない無力感が交互にやってきて思考を蝕んていく。
そんな中である想いが光莉に芽生えていくことになった。