スパダリ御曹司のお相手が、私でいいのでしょうか?~一晩だけのはずが溺愛が終わりません~
「初めまして!出水光莉です」
「初めまして。槙島粧子と申します。本日は娘と息子にテニスを教えてくださるそうでありがとうございます。子供達もとても楽しみにしてたんです。夫も来る予定だったんですが、急遽仕事が入ってしまいまして……」
この日、槙島家の屋敷には明音の弟、灯至の妻である粧子と彼女の子供、そして、明音一家が集まった。
「ほら、挨拶しなさい」
「こんにちは~」
「娘の茅乃と息子の祐至です」
「こんにちは!よろしくね」
光莉は粧子の子供達ににっこりと笑いかけた。粧子に似た利発そうなお子様達だ。
「二人とも安西征也選手の試合を見てから、ずっとテニスがしたいって言ってたんです。でも近所のテニス教室は空きがなくって……」
「そうですよね。今、テニスは大人気ですからね!」
この世は空前のテニスブーム。きっかけは征也が出場した全仏オープンだ。
トーナメントを勝ち進み、決勝戦に駒を進めた征也はそのままの勢いでなんと優勝してしまった。
決勝戦はテニスの中継史上、最高視聴率を叩きだしたという。光莉もテレビの前で固唾を飲んで観戦した。
……瀧澤は渋い顔をしていたけれど。
「あっ!ぶー!」
「あ、透くんにはこちらをどうぞ」
まだ、ラケットを握れない明音の息子、透には持参したボール型のおもちゃをプレゼントする。
まんまるのおめめで一心不乱にガジガジと噛み締める姿は愛らしく、ほわわ〜と空気が和んだ。