愛され庭師は悪役令嬢に巻き込まれ……いえ、今世こそ幸せにしてあげたいです!
 舞台は、島国・ヴィヴァルディ。
 その中には小さな国が五つ。春の国、夏の国、秋の国、冬の国、そして中央の国。
 四季の国には人間が、中央の国には妖精が暮らしている。

 春の国に住むヒロインは、ひょんなことからひだまりの妖精──クラウドベリーにウサギ耳が生えたみたいな頭、多肉植物みたいなぷっくりとした体を持つ生き物──に気に入られて、契約を結んでしまう。

 妖精との契約。
 それは、妖精の頼みを聞く代わりに、契約者は頼みを聞いてもらえるようになるというものである。

 ゆるキャラのようなかわいい見た目に騙されるが、妖精の力は人の手に余るものだ。
 契約した妖精の力次第ではあるが、大昔には一国を消滅させたこともあるのだとか。

 それ故に、妖精と契約した者は、中央の国にある妖精使い養成学校・スルスへ通うことが義務付けられている。
 そこでヒロインは妖精使いになるための勉強をしつつ、素敵な男性と出会い、恋に落ちるのだ。
< 2 / 322 >

この作品をシェア

pagetop