愛され庭師は悪役令嬢に巻き込まれ……いえ、今世こそ幸せにしてあげたいです!
「おまえには、妖精王の茶会で出す茶を用意してもらおう」

「ブレンドは私任せで良いの?」

「構わん。おまえなら、大丈夫だろう」

「じゃあ、頑張らないわけにはいかないね」

 一人前なのだとアピールするチャンスである。
 ペリウィンクルはむん! と気合いを入れた。

「期待している」

 笑いながら、ヴィアベルの手がペリウィンクルの頰を撫でる。
 こんなことはもう何度もされていることなのに、今夜はやけに意識してしまう。

 どうしてだろうとペリウィンクルが首をかしげていたら、ヴィアベルがひょいと身を屈めて顔色を窺ってきた。
 心配そうに見つめてくる神秘的な目は、煮詰めた蜜のようにとろりとしている。

(ヴィアベルの目って、こんなだった? 前はもっと……新しいオモチャを見るようなウキウキした目だった気がするんだけど……?)
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