愛され庭師は悪役令嬢に巻き込まれ……いえ、今世こそ幸せにしてあげたいです!
 ヴィヴァルディにおいて、黒髪黒目は珍しい特徴だ。
 まるで日本人みたいだなと思ったところで、ペリウィンクルは「あ」と声を漏らす。

 遠い東の国、ルジャからやって来た異国の令嬢──セリ。
 シナモンルートにおける悪役令嬢というポジションである彼女は、まさに日本人らしい容姿をしている。

(ヒロインはシナモン狙い? それとも、逆ハーレムかしら)

 考え事に没頭しだしたペリウィンクルを見つめ、ヴィアベルはホッと胸を撫で下ろした。
 彼女が何を言おうとしていたのか知らないが、とにかく嫌な予感しかしなかったからだ。
 とっさにどうでもいい話を振ってしまったが、無事に回避できたようで安心する。

 しかし、彼女は張り詰めたような顔をして何を言おうとしていたのか。
 気になるが聞くのも怖いと、ヴィアベルはらしくもなく気弱に思った。
< 51 / 322 >

この作品をシェア

pagetop