愛され庭師は悪役令嬢に巻き込まれ……いえ、今世こそ幸せにしてあげたいです!

第11話 妖精の提案

 大輪の白バラに、八重咲きの淡い紫色のミニバラ。
 二種類のバラの株元では、アルケミラ・モリスの明るい黄緑色の花が、ライトアップするようにバラの美しさを引き立てる。
 後方にあるウッドフェンスでは、ハニーサックルが甘い匂いを放ちながら蔓を絡め、匂いにつられてやってきた妖精たちが、花の蜜で茶会を開く。

 もちろん、田舎風の庭の定番であるジギタリスも欠かせない。
 バラは茎がかたいから、風にそよぎながら咲くポピーを合わせて、優しい空間に仕上げる。

 ローズマリーの箱庭は、予想より早く完成しそうだ。
 四季の国の中でも春の国は特にガーデニングがしやすい国だが、中央の国は比較にならないくらい生育が早い。
 ゲームだからあんなに早く花々が収穫できるのだと思っていたのだが、現実でも同じくらいのペースで収穫できそうである。

 今日の分の手入れを済ませてしまったペリウィンクルは、空いてしまった時間でワイヤークラフトをすることにした。
 花の蜜で茶会を開く妖精たち用に、テーブルとベンチを用意したら喜ぶのではないかと思ったからだ。

 箱庭エリアの隅にある、妖精が経営しているガーデニングストアにはなんでも揃っている。
 種や苗はもちろん、飾り用のフェイクスイーツや季節商材と、なんでもござれなのだ。
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