愛され庭師は悪役令嬢に巻き込まれ……いえ、今世こそ幸せにしてあげたいです!
「今日はやけに苛ついているな。月のものが近いのか?」

「違うよ。というか、年頃の女の子にそんなこと聞かないでよ、恥ずかしいなぁ」

「恥ずかしい? 大切なことではないか」

 言うなり、ヴィアベルはポンと人の姿へ変化すると、立てた人差し指でペリウィンクルの腹を横からつついた。
 へその下、子宮がある辺りをつつかれて、ペリウィンクルの顔が真っ赤に染まる。
「あ」とか「う」とか声にならない呻き声を漏らしながら、おなかを庇うように体を曲げた。

「それがなければ、子を作れないだろう」

 対するヴィアベルはちっとも気にしていないようだ。
 むしろ、そんな反応をするペリウィンクルのことを不思議そうに見ている。
 そういえば初潮を迎えた時も同じような反応だったなと思い出して、ペリウィンクルはさらなる羞恥心にもだえる羽目になった。
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