聖人君子のお兄ちゃんが、チャラ男になったなんて聞いてません!
「あ、お代はもう夏樹くんからもらってるから大丈夫よ!」
「え!?」
遥の言葉に驚いていると、奥から出てきた夏樹が、美桜の前に来て言った。
「奢るって言ったろ?よかったらまた来ような。」
「いいんですか!?嬉しい!ありがとうございます。ではお言葉に甘えて。」
美桜がペコっと頭を下げてそう言うと、夏樹の後ろから遥が言った。
「あ、桃のタルトが出たら食べに来てね!桃はこれからが旬で一層美味しくなるのよー。6月には登場する予定だから。」
「はい!ありがとうございます。ムースも美味しかったのでまた来ます。」
「よかったー。また会えるの楽しみにしてるねー!」
「はい、ではまた!」
「またな、遥さん。」
そう言って、2人は遥に手を振り返しながら店を出た。