お礼はキスでもいいですか?〜怖がりで気弱な私は、優しくないフリをした君と恋に落ちる〜
心臓がドキドキしている。

やっと分かった。

これは怖いからじゃない。

「ま、待って下さい・・・!」

「うん?」

上条さんが振り返る。

私は上条さんの肩に手を乗せて、頬にキスをした。

「今日は楽しかったです・・・ありがとうございました・・・」

私はぎこちなく笑顔を作ってそう言い、家まで走って帰った。


「由奈は可愛すぎるよね。壊しちゃいそう」


上条さんのそんな呟きは私には聞こえなかった。
< 43 / 55 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop