S h o u t !‐叫べ‐
「あんた…」
「…なに
そんな目で見んな。」
あたしは、はあ、とひとつ
ため息を落とした。
「ため息もつくな。」
女に興味の無い、思春期なんて
この先大丈夫なんだろうか。
「はあー…」
「殴るぞ」
◇
『……では、これにて
第○△回入学式を
終了いたします。
この後の事は各学年で~…』
「くあー…」
やっと、解放された気がした。
入学式の開始で
体育館に入ったころから、
先生に目をつけられないようにと
おしゃべりもせず
そわそわもせず
あくびもくしゃみも我慢して
大人しくしていた。
ちょっとやり過ぎかも。
まあそのせいか
おもしろい事にさっきの
あくびが3回ぐらい続いた。
「おーい!1Fは
こっちから出るんだぞー!」
今日、あたしのクラスに付いた担任が
バカでかい声で指示を出す。
周りはざわつきが酷く
そのバカでかい声も
見事にかき消されていた。
体育館を出ると、
皆一斉にバラバラになった。
他のクラスの子の所へ行ったり
親の元へ行ったり。
桜色の腕時計を見る。
11時40分。
12時まで休み時間があるから
あたしは適当にお母さんを
探すことにした。