婚約破棄されたらエリート御曹司の義弟に娶られました。
まず、それぞれターゲットに向けた広告を作ること。
例えば10代向け、ファミリー向け、コアファン向けといった感じ。
色んなターゲットに絞った広告を作ることで、狙った層を確保するといった狙い。
幅広い層に行き届く広告よりも、敢えて狙い撃ちした広告を選択したのには理由がある。
広告は基本的に煩わしく感じさせてしまうものだけど、自分の興味のある分野の広告ならばむしろ有益な情報となるから。
「有益情報」と受け取ってくれる層に多く届けば、やがてそれが拡散されていくだろうという狙い。
うん、悪くない作戦だと思う。
「よし、この方向性でいきましょう。みんな、引き続きよろしくね!」
「よろしくお願いします!」
チームの雰囲気も良い感じ。
みんなが積極的に取り組んでくれて本当に有難い。
会議が終わったので、岸くんからのメッセージを開いてみた。
「この前は突然押しかけてごめん。
帰り際にペンを落とさなかった?」
添付された写真はうぱおのボールペン。
間違いなく私ので、最近どこかで落としたと思って凹んでいた奴だ。
「私のです。ありがとう」
すぐに返信が飛んでくる。
「届けに行こうか?」
「悪いので私が行きます」
「なら行きやすい場所でご飯でもどう?」