【コミカライズ配信】婚約破棄されたらエリート御曹司の義弟に娶られました。
「……わかった。咄嗟に機転を利かせてくれてたんだね。
ありがとう、皇輝」
確かに娘だとバレる方が大騒ぎだったのかもしれない。
それどころか、火の海になっていたのかも……。
それにあの二人の顔を見て、胸がスッとしたのも事実だ。
「本当にありがとう。それから遅くなったけど、お帰り」
「ただいま」
やっと落ち着けて皇輝の顔を見られた気がする。
最後に会ったのはいつだっけ?
すっかり大人の男になってしまった私の弟。
偉そうなところは昔と変わらずだけど、それでも大切な家族なことには変わりない。
「で、妃乃はこれから俺の妻な」
…………ん?
「えっと、だからそれは、咄嗟の嘘でしょ?」
「違うよ。このまま俺の妻になってもらうつもりだけど。
つってもまあ、何つーの?偽装結婚ってやつ?」
妻?偽装結婚?
再び脳内にハテナマークが飛び交う私をお構いなしに、皇輝は続ける。
「俺さぁ、チェスターって会社の社長を任せられたんだけど、まだ結婚する気はないんだよね。
つーかそんなこと考えてる暇ないっつうか。
でも色んな女が言い寄ってくるの、目に見えてるじゃん?」
何を当たり前みたく言ってるんだ?
殴っていいか、この男。
「だったら妃乃と結婚してることにしたら、ちょうどいいだろ」