婚約破棄されたらエリート御曹司の義弟に娶られました。


突然の告白に頭がついていけてない。

待って、この目の前にいるのは本当に皇輝……?
私のこと好きなんて……いつから――?


「あ、でも……」


皇輝の真剣な眼差しに耐えられなくて、思わず目を逸らしてしまった。

次の瞬間、グイッと顎を掴まれて強引に唇を奪われる。


「んん……っ」


ねっとりと舌が私の口内を犯す。
逃げようとしてもがっちりと頭を押さえ込まれているし、無理矢理顔の向きを変えようとしても追随するように角度を変えて攻められる。


「……っ、やめてよ!!」


ドン!と胸を押してようやく解放された。


「なん、で……」

「妃乃が好きだから」

「……っ!」

「妃乃が好きだ」

「や、やめ……っ!」


何度も耳元で囁かないで……!!

こんな皇輝、知らない。見たことない。


「絶対俺のこと好きにさせる」

「はあっ!?」

「だからもう、弟扱いするな」

「そ……んなこと言われても……っ」


――何?何なの?

何が起きてるの?

こんなことになるなんて、全く想像してなかった。
皇輝は弟なのに。
血が繋がってないだけで、家族のはずなのに。

義弟からの突然の告白と強引なキスは、私の心を酷く掻き乱した。

それこそ裏切られたトラウマが薄らいでしまう程に――……。


ああ、本当に私の人生、どこで方向転換してしまったんだろう――?


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