フェチらぶ〜再会した紳士な俺様社長にビジ婚を強いられたはずが、世界一幸せな愛され妻になりました〜
そんな穂乃香を奏は堪らないというように、眇めた双眸で見つめつつ冗談めかしてくる。
「俺のことより自分の心配をした方がいいんじゃないか。穂乃香に出会ってからこの数ヶ月間ずっとずっと恋い焦がれてきたんだ。一度や二度じゃおさまらないと思うぞ」
「だ、ダメですっ! 悪化しますっ!」
奏の体調を案じて言い返した穂乃香に、ふっと笑みを零した奏が嬉しそうに呟きを落とした。
「いつもの穂乃香だ」
その声にキョトンと首を傾げる穂乃香の元に、再び奏の優しい声音が囁きかけてくる。
「今のは冗談だ。穂乃香の心が少しでも俺に向いてくれるように優しくして、とろとろに甘やかすつもりだから、安心しろ」
どうやら先ほどの言葉は、穂乃香の緊張感を解すためのものだったらしい。
奏の優しさがじんわりと心に染み渡ってゆく。それに伴い穂乃香の胸をなおも高鳴らせ滾らせる。
――離れたくない。ずっとくっついていたい。もうこのまま交ざり合って溶け合って一つになれたらいいのに。
どこからかそんな想いが浮上してくる。そこに奏の甘やかな声音が囁きかけてくる。
「穂乃香は何もかもこの熱のせいにして溺れていればいい」
甘やかな美声に聞き惚れている隙に奏が織りなす甘やかなキスが再開されて、あたかも奏の熱に浮かされたように穂乃香の身も心もとろとろに蕩かされてゆく。