紳士な俺様社長と離婚前提の契約婚!?
一度味わってしまったら最後、もう二度と手放せはしないだろう。
――否、何があろうと絶対に手放したりするものか。そして必ず堕としてみせる。
達した際に意識を失ってしまった穂乃香に甘い甘いキスの雨を降らせながら、奏は決意を新たにしていた。
この上ないほどの多幸感に満たされながら穂乃香の柔肌を存分に堪能した
奏は、いつしか愛おしい穂乃香の身体を胸に隙なく抱き寄せ眠りに墜ちていったようだった。
ーー翌朝。目覚めた奏の腕の中には、当たり前のように、天使のように可憐な寝顔を無防備に晒している、愛おしい穂乃香のたおやかな寝姿があった。
数時間前まで互いの身体を重ね深く繋がりあって、幾度も高みへと昇り詰めた、その余韻がそうさせるのだろうか。
この世のものと思えぬほどの甘やかな香りを纏うその姿は酷く艶めかしい。
起き抜けに、男心と雄の本能とを刺激されてしまった奏は、情事特有の気怠さなんて瞬時に霧散し、危うく欲望の鎌首をもたげてしまいそうになる。
それをなんとか抑え込んだ奏は、あの朝得られなかった幸福感の中で、愛おしい彼女の身体を隙なくしっかりと抱き寄せたまま、いつまでもいつまでも微睡んでいた。