フェチらぶ〜再会した紳士な俺様社長にビジ婚を強いられたはずが、世界一幸せな愛され妻になりました〜

 一方叔母は、樹の大人発言に「やだ、いっくんったら、すっかり大人になっちゃって。きっとお姉ちゃんも天国で喜んでくれているわ」涙で声を震わせると、ハンカチで顔を覆って大泣きしてしまい、挨拶どころではなかった。

 けれど最後には、「まさか、こんな良縁に恵まれるなんてね。これも、あの時私が転職先紹介したおかげよね。恩返しに目一杯幸せになりなさいよね」そういって、心からの祝福の言葉を贈ってくれた。

 穂乃香は、込み上げそうになる涙を堪えて二人にお礼の言葉を返すのがやっとだった。

「ふ、二人とも……ありがとう」

 二人を騙しているようで心苦しくもあったが、奏への想いも自覚している身としては、好きな人を家族として受け入れてもらえたことが単純に嬉しかったのだ。

 微かに肩をふるわせ涙を堪えている穂乃香の肩を隣の奏がそうっと優しく抱き寄せてくれていて。

 ーーもうこのまますべてを委ねてもいいかな。

 なんて身勝手にも思っていたりもした。

 結婚式に関しては前もって奏からは、「穂乃香の気持ちが固まってからにしようと思う。両親には、ちょうど社長に就任したばかりでスケジュールの調整が難しいと伝えてあるから問題ない」そう言ってもらっていたので、いくぶん気が楽になっていた、というのもあったかもしれない。

 ちなみに、既に両家の顔合わせも終え、対外的にも結婚の報告がなされている。

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