フェチらぶ〜再会した紳士な俺様社長にビジ婚を強いられたはずが、世界一幸せな愛され妻になりました〜

「たまにはこうやって目的もなく、街並みを眺めながら歩くのもいいな」
「そうですね。いい気分転換になりますしね」
「俺は、穂乃香とこうやって手を繋げるのが一番嬉しいけどな」

 その合間にも、こうして隙あらば、奏は穂乃香の手を引き寄せ耳元に、甘い台詞を魅惑のバリトンボイスで囁きかけてくる。

 奏からの熱烈なアプローチに未だ慣れることのできない穂乃香の心拍数は、緩やかに上昇し、落ち着く暇がなかったほどだ。

 そういう緊張感こそあれど、奏の隣はとっても居心地がいい。

 穂乃香の香りが好ましいという奏と、奏の香りと声音とに心地よさを感じ癒やされている穂乃香。

 以前、奏は、相手の香りが好きイコールその人の遺伝子を求めているのと同義だと言ってたが……。

 つまり、二人は互いに遺伝子レベルで惹かれ合っているということになる。

 ーーだからこんなにも奏さんの隣は居心地がいいんだ。

 奏の手に引かれながら、そんなことを思考していた穂乃香の頬はすっかり緩んでしまっている。

 少し前まで憂鬱な心持ちだったのがウソのように、奏との記念すべき初めてのデートは、とても楽しいものとなっていた。

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