フェチらぶ〜再会した紳士な俺様社長にビジ婚を強いられたはずが、世界一幸せな愛され妻になりました〜
「心外だな。俺は思ったままを口にしただけなんだが。本人も知らない無防備の姿を知ってるんだと思うと、それはそれで嬉しいな」
「……もうその話題は忘れてください。それより、ほら、見てくださいよ。とっても綺麗ですよ。レインボーブリッジが船上からこんなに間近に見られるなんて、凄いっ!」
「そうだな。俺は穂乃香がはしゃぐ姿が見られて嬉しいよ」
「え? 何か言いましたか?」
「いや、喜んでもらえたようで嬉しいって言っただけだ」
だが、綺麗な夜景を眺めているうちに緊張感もしだいに薄れ、気づけば奏との楽しい会話に夢中になっていた。
場の空気に気圧されることなく、いつもの調子を取り戻した穂乃果は、自分でも驚くほどの自然体で奏との時間を心から楽しむことができている。
穂乃香がそうなれるように導いてくれたのは、公私共に時間を共有してきた中で穂乃果の性格を知り尽くしているのだろう、奏のさり気ない優しさのおかげに他ならない。
穂乃香は奏との尽きることのない楽しいお喋りと美味しいフランス料理とを堪能しながら……。
――やっぱりこの人が好きだ。この人とこれからの長い人生を共に歩んでいきたい。
奏への想いがただの恋情ではなく、特別なものであると確信していた。