フェチらぶ〜再会した紳士な俺様社長にビジ婚を強いられたはずが、世界一幸せな愛され妻になりました〜
奏は安堵の息をつくと噛みしめるようにして「……ありがとう、穂乃香」そう礼を告げてから経緯を静かに語り始めた。
あの夜、穂乃香と出会った奏は、穂乃香のことを片時も忘れることができずにいたそうだ。けれど知っているのは穂乃香の名前と婚約者の『マサト』という名前しか知らないため、探しようがなかった。
そんな時、就任前の挨拶に訪れていた秘書室で採用が決定した穂乃香の履歴書を見る機会があったらしい。
――これはもう運命に違いない。
そう確信した奏は、穂乃香の身辺調査を柳本に命じ、ついでに同僚だった元婚約者のことも探らせていたのだという。
結果、元婚約者のせいで穂乃香が退社せざるを得なくなった理由を知り、まずは叔母の雪にコンタクトをとったらしい。なんでも、秘書室長から履歴書を見せられた際に友人の姪だと聞かされていたのだという。
そして元婚約者に対してキャンセル料と慰謝料を請求したそうだ。
だがすぐには応じなかったらしく、ある人物に探りを入れさせていたらしい。すると横領していた事実が明るみとなって、その事実を突きつけた途端、代理人を通して全額送りつけてきたのだという。