フェチらぶ〜再会した紳士な俺様社長にビジ婚を強いられたはずが、世界一幸せな愛され妻になりました〜
同時に、窓側に向かって横になっていた穂乃香の背後から、奏の匂いと温かな体温とにほわんと包み込まれた。
ーーあっ、奏さんの匂い。すっごく落ち着くし心地がいい。起きたばっかりなのに、寝ちゃいそう……。
穂乃香はうっかり夢の世界へと逆戻りしそうになったほどだ。
そこに奏の甘い美声が届いた。
「穂乃香、いくら特別な夜だったからって、羽目を外しすぎてしまい、すまなかった。随分無理をさせてしまったが、身体のほうは大丈夫なのか? もし具合が悪いようなら、すぐに医者を呼ぶ」
けれど普段は麗しくも頼りがいのあるはずの奏の声音は、シュンと沈んでしまっていて、いつもの覇気が微塵も感じられない。
どうやら奏は、我を忘れてしまった自分を責めているようだ。
だがその必要はない。
だって、それは穂乃香自身が心から望んだことなのだから。
そうは思いながらも、愛する旦那様である奏に、それだけ大切に想ってもらえている表れなのだ。
ーーどうにも嬉しくて堪らない。
穂乃香の胸はあたたかなもので満たされてゆく。