フェチらぶ〜再会した紳士な俺様社長にビジ婚を強いられたはずが、世界一幸せな愛され妻になりました〜

 ――大事に思ってくれるのはわかるけど。奏さんってば、そんなにシュンとしちゃって。奏さん可愛すぎだし、嬉しくてどうしようもないんですけど!

 奏の匂いとぬくもりとに包み込まれた穂乃香は、天国にでも召されてしまいそうなほどの幸福感に満たされ、夢見心地である。

 奏に抱きしめられていなければ歓喜に身悶え、ゴロンゴロンと転げ回っていたかもしれない。

 ――いいや、絶対に転げ回っていたと思う。

 それができないので、奏の腕を胸にぎゅっと抱き込むだけに留めた。

 そんな有様なものだから、穂乃香は奏の問い掛けに返事をするのも忘れてしまっている。

 奏の心配は募るばかりだ。

 穂乃香の様子を観察でもしていたのだろうか。しばし沈黙が流れていたが、奏の腕を抱き込んだまま返事を返さない穂乃香の身体が、唐突にゴロンと転がされる。

「ひゃっ!」

 不意を突かれた穂乃香が思わず頓狂な声を零した時には、奏に組み敷かれていた。

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