フェチらぶ〜再会した紳士な俺様社長にビジ婚を強いられたはずが、世界一幸せな愛され妻になりました〜
元々アメリカの大学に通っていた奏には、そう装うのも造作もないことだったらしい。
先ずは、親類にそれとなく実家と縁を切るかもしれないとほのめかし、渡米した際に、別荘にちょうどよさげな物件を購入したりして、あたかも移住する段取りを着々と進めているように見せかけていたのだという。
恭一も大企業の会長を務めているのだ。当然、優秀な経営者ではあるが、現在はそのほとんどを奏が引き継いでいるため、現状を把握するのにタイムラグがあるようだ。
そこも考慮し、恭一の第一秘書に根回ししてあったことで、奏に有利な情報を流してもらっていたらしく、どうやら奏は本気であるらしいと、思い込んでくれたらしいのだ。
そしてその仕上げに、トドメとして決行したのがロサンゼルス旅行だったというわけである。
とうとう奏が決行したと思い込んだ恭一は、大慌てで柳本に連絡を入れてきたらしい。
その際には、柳本が涙ながらに、奏が仕事を放り出して穂乃香を連れてロスに旅立ってしまったと、それはそれは切実に訴えたのだという。