フェチらぶ〜再会した紳士な俺様社長にビジ婚を強いられたはずが、世界一幸せな愛され妻になりました〜
――けど新婚なんだし、多忙な奏さんをこんなに長い間独占する機会なんて、もうないかもしれないんだから、今のうちにめいっぱい独り占めしておきたい。
穂乃香がそう思っているように、きっと奏も同じ気持ちでいてくれるに違いない。
――だったら、その想いに応えてあげたい。
この日の朝も、記憶が曖昧だが……数時間前まで奏の熱に浮かされ翻弄されて、声がかれるまで散々喘がされた穂乃香は、奏の逞しい腕の中で目覚めた。
互いに生まれたままの素肌を隙なく密着させしっかりと抱きしめ合っているため、微かな寝息も心地いい心音さえも伝わってくる。
――あー、幸せだなぁ。
柔らかな陽光に包まれた微睡みのような幸福感に満たされながら、心中でそんなことを呟きつつ……。
目が完全に覚めてしまうまでのほんの束の間、業務中にはお目にかかることなどない、奏の無防備な寝顔をうっとり眺めるのが穂乃香の日課になりつつある。
これからもこんな風に、愛する奏と共に、日常の些細な一コマを積み重ねていけるのだと思うと、それだけで胸は温かなもので満たされてゆく。