フェチらぶ〜再会した紳士な俺様社長にビジ婚を強いられたはずが、世界一幸せな愛され妻になりました〜

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 落ち着いた趣ある高級料亭の奥座敷には、酒も進み上機嫌な様子でお猪口を傾けながら談笑に耽っている浅葱とその秘書である川谷、奏と柳本の姿があった。

 穂乃香は末席に腰を落ち着けて談笑に耳を傾け時折相打ちを打つという、その繰り返しだ。

 どうしてかというと。まだまだ男女の格差が問題視されている日本とは違い、女性の活躍がめざましい海外ではファーストレディがあたりまえ。女性が酌なんてする必要はない、という大学時代を海外で過ごした奏の意向故だ。

 ちなみに竹野内グループが働きたい企業ランキングで常にトップを独占しているのも、奏が先進国のそういう慣習をいち早く取り入れた改革案を打ち出し実現したからこそであるらしい。

 というのは、穂乃香に何としてでも奏の良さを理解してもらおうという魂胆丸出しの柳本が得意満面に語っていたことだ。

 そんなわけで穂乃香はお酌することなく美味しい料理に舌鼓を打つ、などという気にはなれるはずもなく。

 これまでの経緯を思い返していた穂乃香は末席に腰を据え贅を極めた会席料理の数々にも目もくれず、人知れずひっそりと溜息を零していた。

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