フェチらぶ〜再会した紳士な俺様社長にビジ婚を強いられたはずが、世界一幸せな愛され妻になりました〜
驚きすぎた穂乃香が驚嘆の声をあげたまま二の句も継げず固まっている間に、話はどんどん進んでいく。
「そうだな。俺としてもその方が安心だし、周囲の目を欺くこともできるだろうしな。何より、穂乃香に俺の人となりをより深く知ってもらうためにも、その方がいいしな」
「それでは早速、新居のピックアップと引っ越しの手配をいたしましょう」
「ああ、頼む」
先ほどまでの不機嫌さはどこへやら、上機嫌となった奏からすべてを任せられた柳本は俄然やる気を出し、水を得た魚の如く速さで仕事を熟していった。
おかげで穂乃香は奏の抱擁から解放されなかったばかりか、そのまま姫抱きにされて奏の自宅までお持ち帰りされるという、とんでもない事態となってしまったのである。
そして一週間後には、都心の一等地にそびえ立つ高層マンションの最上階に位置する、モデルルームのようにスタイリッシュかつハイグレードな新居へと引っ越す羽目になってしまっている。
だがそれだけでは終わらなかった。
引っ越しといってもお任せパックだったのと、元々物欲のない穂乃香には大した荷物もなかったので、午前中には片がついた。
その頃には、柳本が手配していたケイタリングも届いており、美味しい匂いに誘われるように穂乃香が与えられた自室からリビングへと足を踏み入れると同時。
「ささ、穂乃香さん。こちらへどうぞ」
いつにも増して上機嫌な柳本にダイニングソファへと促され、奏の隣に腰を下ろした際のことだ。