フェチらぶ〜再会した紳士な俺様社長にビジ婚を強いられたはずが、世界一幸せな愛され妻になりました〜
そう、もう一つのミッションをクリアするべく穂乃香がおとりになるという作戦に関しては奏は一切関与していない。
奏に少しでも借りを返しておきたい、という心情に揺さぶりをかけた柳本に穂乃香はまんまと利用されたのである。
奏は元より穂乃香を巻き込むのをよしとしていなかった。
それなのに柳本が裏でこそこそ穂乃香を焚きつけていたうえに、危険な目に遭わせたのだ。
奏にしてみれば、信頼していた腹心に謀反を図られたのと同義である。
故に、奏のご機嫌は頗る悪い。
柳本は何とかして奏のご機嫌を取ろうと思ったに違いない。
その気持ちは理解できる。
――だからって、私を巻き込まないでほしいんですけど!
柳本からのとんでもない提案により、先程までの不機嫌さは幻覚だったのかと思ってしまうほどに上機嫌となった奏に、やっとのことで解放された穂乃香が憤るのも無理はない。
なぜなら不機嫌を体現したかのように憤りを露わにしていた奏に、柳本はこれ以上の妙案はないとばかりに、やけに得意げにのたまってくれたのだから。
「残念ながら、浅葱の仕業だという決定的な証拠は掴めてはおりませんし、今後もこういうことがないとも言えません。奏様もご心配でしょうから、穂乃香さんと一緒に住まわれてはどうでしょう。どうせ結婚する予定なのですし。浅葱にもあー言った手前、真実味も増すでしょうし。もしかすると諦めてくれるかもしれませんしねぇ」
「はっ⁉」