チカ先輩のお気に入り。




ポロッと出てしまったあの言葉。

『チカ先輩って…何考えてるかわかんないですよね』

チカ先輩にとっては、この言葉は辛い言葉なのに。
それも知らない私は、軽い気持ちで言って傷つけた。


「…雪桜ちゃん、俺ねその後に言ってくれた言葉のおかげで有紗の言葉なんてどうでもよくなったんだよ」

「……っう…っひぐ……っ」

「今のままの方が居心地いいって言ってくれたよね。俺にそのままでいいって言ってくれた。ちゃんと俺自身を見てくれたこと、すごく嬉しかったんだよ」

「……っぅ」

「だから泣かないでよ。昨日よりも目腫れちゃうよ」


私の頬を包み込んで目を合わせたチカ先輩は疲れたような笑顔で。
きっと昨日のことで悩んでくれたんだ。

それに……なんで、私の目が腫れていたこと知ってるの。そこまで見ていてくれたの……?

この人には敵わない。あなた以上の人なんていない。



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