ロックオンされました。

 彼の名は小笠原悠人。
 もう何年もつるんでいる、私のそばにいることが当たり前になっている同僚だ。

 この関係は、職場の同僚というだけではなくて、友人レベルなのかもしれない。
 でも私にとっては、友人という位置付けもしっくりとは来なかった。

 悠人とは職場での愚痴や悩みも相談し合うし、プライベートでも言いたいことを言える仲。

 休日だって、一緒に遠出もしたりする。

 彼からすると私の存在は、同僚で友人で、そばにいて当たり前な存在らしい。

 なんなのその曖昧な関係。と不満に思いながら、この関係が無くなるぐらいならこのままでもいいかなって、長い間そうやって彼の近くにいた。

 もしも悠人に彼女でもできた時、この関係も終わるのだと覚悟しながら、本当に言いたい気持ちは伝えられずに時が過ぎた。
 
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