夫婦

18.けいくんへ



あなたはこの小説を読みたいと言ってくれた。
まだ読んでくれてますか?

最後にもう1度だけ会って
2人で笑って楽しい思い出にして
終わりたかったけれど
もう会えません。


私は現実に戻ります。悔しいけれど

あなたとはなぜ出会ったのか
本当にいまだにわからなくて


もしも、もっと早く出会ってたら……
もう今更遅いですね。


SNSをしないあなたが、たった1つの
アプリだけはなぜかしていて
私も既婚者なのにアプリをしていて
始めた頃もほぼ同じぐらいで


たくさんの異性とお互い出会うことができたのに
なぜか繋がって

やりとりをしたね。毎日毎日。

会ったこともないし話をしたこともない
年齢も性別もやりとりの内容も全て
本当なのかわからないのに


なぜかあなたに惹かれた。
思えばあの頃が1番お互いにとって
幸せだったのかも。


連絡先を交換して実際に会ったあの夜は
忘れない。

もう二度と恋愛なんてしないと思ってた
もう二度と女性として扱ってもらえると
思わなかった。

そんな私のことをいつもお姫様のように
大切に扱ってくれた


忙しいのに時間作ってくれたこと。
考えることたくさんあるのに私の事ばかり
考えてくれたこと。
疲れてるのにドライブや夜景や海に
つれて行ってくれたこと。

私の好きな映画や曲を一緒に
見たり聞いたりしてくれたこと。

私が喜ぶように楽しめるように
ご飯行ったり買い物行ったりご飯作ったり
ご飯食べたりしたこと。

あなたに触れれたことは今でも
幸せだった。温もりは今でも忘れない


一緒にお風呂にはいって
お互い身体と頭を洗いあっこした。
幸せだった。本当に
今まで生きてきて本当に

離れることを忘れるぐらい
あなたとの時間は本当に早くすぎてしまった。


でも私は結局あなたの親と同じよね
許してください
最低でごめん。


大好きだったよ?こんな私のことを
好きになってくれて大切にしてくれて
愛してくれて想ってくれて
本当にありがとう。


言葉にならないぐらい辛いけど
あなたがこの空の下で生きてさえ
いてくれたらもう充分です。


あなたからもらった想い出と幸せと
この数珠は大切にします
いつも側にいてくれてる味方でいてくれると信じて

でも私はあなたになにもあげられなかった。

私と出会う前の孤独と出会った後の孤独とでは
あまりにも差があると思う。

ボッチと捨てられるのには慣れてる
なんて言わないで?

私が何もかも捨ててあなたの元へ
行くことが出来ないのを許してください

いつか。いつの日か
また繋がれると信じてます。


時間はかかるかもしれませんが
さようならをします。


この先、連絡もとれないし会えないし
私のことを忘れたとしても

私にとってはずっと大切な人。
さようなら
< 18 / 30 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop