叱られた冷淡御曹司は甘々御曹司へと成長する

 おばあちゃんは笑顔でうなずいた。

 「実は私からそう言おうと思っていた所よ。本当だったらもう十年以上前にお前の父が継いでいたはず。長く私がやり過ぎたわ。お前ならもう大丈夫。手続きしていいわ」

 「うん。色々心配もあるけど、おばあちゃんの身体のためにも今継いだ方がいいと思うの。玖生さんが大奥様を味方につけて、年配のお弟子さんをまとめてもらえばいいと言ってくれたの」

 「さすが玖生さん。それはいい考えね。事務局の担当さんに連絡して相談なさい。清家の大奥様は良い方だし、おそらくお前と玖生さんが親しくしているのをきっと喜ばれているはず。なんでもしてくれるはずよ。それにとても素晴らしい方なのはお前も知っているでしょ」

 「ええ。無駄話をしないでお稽古されるのは大奥様だけだもの」

 「ふふ、あ、いたた……」

 おばあちゃんは笑いながら胸を押さえた。

 「大丈夫、おばあちゃん?先生呼ぼうか?」
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