叱られた冷淡御曹司は甘々御曹司へと成長する

過去に繋がる今

 
 金曜日。久しぶりに清家本社ビルへ行った。

 早朝からビルを開けてもらい、花を活け終わったところだった。会社の人や受付の人達が出勤し出した。

 「おはようございます、須藤さん。急にいなくなってすみませんでした」

 由花は須藤に駆け寄って、頭を下げた。

 「あー、織原さん!来たのねー。会いたかったわ。おばあさんは大丈夫なの?」

 「ええ、おかげさまで。来週には退院出来そうなんです」

 「そう。なんか、秘書の人が言ってたけど織原流を継承するんだって?大変だね。おばあさんの病気がきっかけなんでしょ?」

 「ええ。いつかそうなるとは思ってましたけど、急だったので皆さんにご迷惑おかけしてしまって、本当にごめんなさい」

 「しょうがないわよ。でも寂しいわー。結構私達いいコンビだったと思うのよ。ほら、来客のランク付けとか……まだ途中だったのに。楽しかったなー」
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