冷淡男子の上條君は全振り初カノにご執心

バレンタイン前日の放課後。
両親が仕事で不在のまどかの自宅で、和香と2人でスイーツづくりをすることに。

友チョコ用にクッキーを大量に作る。
そして、まどかは生まれて初めて本命チョコを作ることに。

「いよいよだね」
「……うん」
「ちゃんと伝えられそう?」
「………無理かも」
「でも、またとない絶好の機会だよ?」
「わかってる」

先に生地をつくり、それを焼き始める。
オーブンで焼いている間に、友チョコ用のクッキーを和香と一緒につくりながら、まどかの気持ちを再確認する。

2月14日は金曜日。
登校日だということが何よりまどかの気持ちを後押ししてくれている。
土日だったら、渡せそうにないからだ。

「上條ってさ、好きでもない子にはちゃんと一線引いてるから、そこら辺は結構大丈夫な気がするんだよね」
「………ん」
「藤宮君と違って、誰彼構わず受け取ったりしないだろうし。上條なら全部断るでしょ」
「……だと、いいけど」
「まどかから貰えるの、楽しみにしてると思うんだよね~」
「………」
「自信持ちなよっ!クラスメイトだろうが、全校生徒だろうが、裏表なくあんなにストレートに言うくらいなんだからさ」
「っ……」

和香が言いたいことは十分に分かってる。
それでも、『告白』となると別問題だよ。

「言葉で言えそうにないならさ、カードや手紙添えるのもアリだし、いっそのことチューしちゃったら?」
「はっ?!!」
「その方が手っ取り早いじゃん。態度で示したら、上條だって分かりやすいし、一気に2人の関係も明らかに出来るしさ」
「………いや、それは無理っ」

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