冷淡男子の上條君は全振り初カノにご執心
夕食もデザートも食べ終わって、時計を見たら20時を過ぎていた。
「そろそろ送ってく」
「……うん」
ブラウンのキュロットにオフホワイトのVネックのセーター。
その上にムートンコートを羽織った彼女が、玄関でブーツを履こうを前屈みになった。
さらっと髪が流れ、首筋が露わになり、うなじの色気にドキッとする。
ついさっきまで、体のラインがはっきりと分かるセーターで胸の大きさとかすっげぇ目に付いて。
今もキュロットから覗く脚の綺麗なラインが目に付くし。
どこ見てもドキドキ、ムラムラすんだけど、マジで。
必死に平然を装ってブーツを履いた、その時。
「……ん?」
ロングコートが軽く引っ張られた。
「もうちょっとだけ」
「っ……」
やばっ。
可愛すぎ。
っつーか、帰したくないんだけど。
「あんま、可愛いこと言ってると、襲うよ?」
「っっっっ」
自分から言っておきながら恥ずかしくて両手で顔を隠すとか……。
マジで、帰したくね~~~っ。
さらさらの長い髪を指先で梳き、首をそっと支えて。
おでこに触れるだけのキスを。
「このままだと、マジで自制できそうにないっ」
「っ……、ごめんねっ」
「何で謝んの?」
「だって……」
「だって?」
「……触れて、欲しかったんだもんっ」
「っっ~~~っ」
恥ずかしさを紛らわそうと顔を逸らし長い髪を耳にかけたその仕草一つに、キュンキュンすんだけど。
ヤバい、このままだと早死にするかも、俺。