冷淡男子の上條君は全振り初カノにご執心

やばっ、素になりすぎた。
時すでに遅し状態に、さすがの俺も動揺する。

「2人は付き合ってるの?」
「………いえ」
「そうなの?」
「………はい」
「その気はないの?」
「ちょっ……お母さん、やめ「ありますっ!ってか、少し前から猛アプローチ中なんですけど、全然伝わってないみたいで」
「っ……(ちょっと、上條君っ!)」

雰囲気からして反対はされてないっぽい。
まぁ、以前に本人もそんな風なこと言ってたし。

味方につけれるもんは余すことなく装備したい。

「私は大いに賛成♪こんな彼氏くんなら、娘を安心して預けれるわ♪ンフッ」
「もうっ、止めてって……」
「由くんなんて、とうに付き合ってると思ってるわよ?」
「え?……そうなの?」
「えぇ、夏に映画館デートした時に会ったでしょ?」
「……あ」
「2人の様子見て、そう思ったらしいわ。その晩、やけ酒してたから、相当ショックだったんだと思うけど」
「………すみません、変に勘違いさせてしまって」
「勘違いに終わらせなきゃいんじゃない♪??」
「っ……、ホントにもうやめてっ!」

自宅に上がるように言われた時はどうなるかと思ったけど。
なんか拍子抜けするくらい、あか抜けてる母親で驚いた。
この先、小森と付き合うことになっても、障害は少し減らせたのかな?と思えて……。

「そうできるように頑張ります」
「是非、そうして~♪そしたら、Wデートしましょうね♪」
「っっ~っ、もういい加減にしてっ!」

両親と一緒に……Wデート……?
そういう発想はなかったな。
娘の前でもラブラブな夫婦なのだから、これが平常運転なのかもしれないな。

「その時は、是非」

なんだか、口説き落とすのも楽しくなって来た。

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