花束とメロディを君に。

♪前奏曲♪

「花理ちゃん。こっち手伝ってくれるかしら。」




「はい!」



テーブルの上にとても美味しそうな夜ごはんを並べていく。



今日のメニューはグラタンとサラダとパン。


どれも花理の好きなものばかりだ。もしかしたら、お母さんが真琴さんに伝えていたのかも。




「あれ?」


「どうしたの?」



「息子さんの分はないんですか?」


よく見ると、テーブルの上には2人分しか用意されていない。

きっと、私と真琴さんの分だと思う。


「あぁ。言ってなかったわね。
 息子は花理ちゃんと同い年なの。
 で、同じ月城(つきしろ)高校に通ってる。」



「え!同い年で同じ学校!?」



「そう。それで、管弦楽部に入っててかなり忙しいらしくて夜ごはんは家でとっていないの。」





   管弦楽部…

   たしか、
   天音も管弦楽部に入ってたかも?



天音というのは、花理の友達である鮎川天音(あゆかわあまね)のことだ。


天音は高校になって一番最初にできた友達で、管弦楽部に入っている。



確か、小学校の頃からヴァイオリンをやっていると言っていた。




花理も両親の影響で小さい頃からヴァイオリンをやっているため、気が合いすぐに天音と仲良くなった。
   
 


「花理ちゃんは部活入ってるの?」




「私は帰宅部です。放課後はレッスンに行っているので。」




「そっか。花理ちゃん、昔からヴァイオリン上手だから。蓮と同じ部活かと思ってたわ。」




蓮って、息子さんのことだよね。



真琴さんの苗字って確か立花さんだから、、


立花蓮?

どこかで聞いたことがあるような気がする。

でも誰だっけな。


仲良い人ではないけど、どっかで聞いたんだよな。
誰だっけ。




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