結婚直後にとある理由で離婚を申し出ましたが、 別れてくれないどころか次期社長の同期に執着されて愛されています
部下がアイツを刺したりしなければ、父が部下を庇ったりしなければ、今でも父は母と夫婦仲よく暮らしていたのだろう。
真実をあきらかにして、父の罪を取り消せるのもわかっている。
それでも。
「それは、父は望んでいないと思うの。
父は自分が不甲斐ないせいで、部下の幸せを壊すのが嫌だったんだよ、きっと」
私も係長になんてなって、一応部下がつくとわかる。
相手先の社長を刺すほどに部下は追い詰められていたのに、自分はなにもできなかった。
せめて、彼の家庭は守りたい。
きっと、そんなところだろう。
私たち家族はどうなのかという気持ちもあるが、生まれたばかりともう手も離れかけている高三じゃ、生まれたばかりのほうが大変に決まっている。
「それにあの人はもう、十分に罰を受けてるから」
彼は判決の下った日も、私の家に来て謝罪してくれた。
そのあとも毎年、事件のあった日にうちへ謝罪に来る。
課長のご家庭を壊したのに、自分は幸せで申し訳ないと毎回、苦しげに顔を歪めて額を床に擦りつけるのだ。
そんな彼が、罰を受けていないなんてありえない。
「あとね」
紘希の顔を見上げ、レンズ越しに目をあわせる。
真実をあきらかにして、父の罪を取り消せるのもわかっている。
それでも。
「それは、父は望んでいないと思うの。
父は自分が不甲斐ないせいで、部下の幸せを壊すのが嫌だったんだよ、きっと」
私も係長になんてなって、一応部下がつくとわかる。
相手先の社長を刺すほどに部下は追い詰められていたのに、自分はなにもできなかった。
せめて、彼の家庭は守りたい。
きっと、そんなところだろう。
私たち家族はどうなのかという気持ちもあるが、生まれたばかりともう手も離れかけている高三じゃ、生まれたばかりのほうが大変に決まっている。
「それにあの人はもう、十分に罰を受けてるから」
彼は判決の下った日も、私の家に来て謝罪してくれた。
そのあとも毎年、事件のあった日にうちへ謝罪に来る。
課長のご家庭を壊したのに、自分は幸せで申し訳ないと毎回、苦しげに顔を歪めて額を床に擦りつけるのだ。
そんな彼が、罰を受けていないなんてありえない。
「あとね」
紘希の顔を見上げ、レンズ越しに目をあわせる。