結婚直後にとある理由で離婚を申し出ましたが、 別れてくれないどころか次期社長の同期に執着されて愛されています
「母子家庭なのを気にしてるのか?
そんなの、いまどき珍しくないだろ。
それとも父親が女を作って出ていったほうか?」
テーブルに腕を置き、矢崎くんが軽く前のめりになる。
両親の離婚の理由は父親の浮気ということにしてあるが、これは本当ではない。
適当に誤魔化す理由が必要でも、父を病死などで殺せなかった。
母も嘘でも父さんを殺せないしと、苦笑いでこの理由を承知している。
「そう、だね。
……もし、さ」
座り直し、レンズ越しに真っ直ぐに彼の瞳を見る。
何事か感じ取ったのか、彼も姿勢を正して私を見つめ返した。
「私の父が犯罪者……だったら、どうする?」
どくん、どくんと心臓の音が妙に大きく響く。
じっと私を見つめたまま、矢崎くんは黙っている。
私を拒絶する答えだったとしても、失望しない。
それが、普通の反応だ。
でも。
――それでも。
彼が私の欲しい答えをくれたなら。
少しだけ、この結婚を受け入れてもいいかもしれない。
「純華とお父さんは別の人間だ。
お父さんが犯罪者だからって、純華自身が罪を犯したわけじゃないから、関係ない」
矢崎くんの瞳は、確固たる信念で溢れていた。
ここまでの答えには満足して、さらに先を続ける。
「……もし、私が犯罪者、だったら?」
そんな事実はないが、それでも聞いておきたかった。
そんなの、いまどき珍しくないだろ。
それとも父親が女を作って出ていったほうか?」
テーブルに腕を置き、矢崎くんが軽く前のめりになる。
両親の離婚の理由は父親の浮気ということにしてあるが、これは本当ではない。
適当に誤魔化す理由が必要でも、父を病死などで殺せなかった。
母も嘘でも父さんを殺せないしと、苦笑いでこの理由を承知している。
「そう、だね。
……もし、さ」
座り直し、レンズ越しに真っ直ぐに彼の瞳を見る。
何事か感じ取ったのか、彼も姿勢を正して私を見つめ返した。
「私の父が犯罪者……だったら、どうする?」
どくん、どくんと心臓の音が妙に大きく響く。
じっと私を見つめたまま、矢崎くんは黙っている。
私を拒絶する答えだったとしても、失望しない。
それが、普通の反応だ。
でも。
――それでも。
彼が私の欲しい答えをくれたなら。
少しだけ、この結婚を受け入れてもいいかもしれない。
「純華とお父さんは別の人間だ。
お父さんが犯罪者だからって、純華自身が罪を犯したわけじゃないから、関係ない」
矢崎くんの瞳は、確固たる信念で溢れていた。
ここまでの答えには満足して、さらに先を続ける。
「……もし、私が犯罪者、だったら?」
そんな事実はないが、それでも聞いておきたかった。