【完結】お試しダンジョンの管理人 ~イケメンたちとお仕事がんばってます!~

 明かりのない真っ暗な部屋に踏み込むと、
 ヴァンは月明りのさしている窓枠に手をかけていた。

 窓から逃げる気!?

 させるか!

 そう思って猛ダッシュするも、間に合いそうにない。

 ああ、わたしにもっとスピードがあれば……!

 そう願ったとたん、ぐんっと体が軽くなった。

 えっ!?

 あっという間にヴァンに近づく。

 ええい、何が何やらわかんないけど、チャンス!

 わたしは、がっしりとヴァンの腰に腕をまわして抱きしめた。



「な、なんだよ! はなせ!」

「イヤ! 絶対にはなさない!」



 暴れるヴァンに、必死でくらいつく。

 床でひざをすりむいたけど、かまわない。



「本気ではなしてほしいなら、わたしを蹴り落としてよ! ヴァンならできるでしょ!?」



 ヴァンは怪力だ。

 わたしなんて、いくらでも振り落とせるはず。
< 171 / 303 >

この作品をシェア

pagetop