バイバイ、リトルガール ーわたし叔父を愛していますー
私が航君の為に出来ることはなんだろう。

すみれは家に帰ってもずっとそのことばかりを考えていた。

そして夜、ベッドで横になった瞬間、その考えが閃いた。

忘れられてしまったのなら、『もう一度出逢えばいい』んだ。

今度は小さな女の子としてではなく、ただの野口すみれとして航君と向き合うことはできないだろうか。

姪ではなく『ひとりの女』として。

そしたら、もしかしたら、航君も私のことを・・・。

ううん。

多くは望まない。

ただ航君の力になりたい。

これからは私が航君を守るんだ。



次の日、再びすみれは迫田妙子と会い、身体の不自由な航の為に、今までの関係を隠し、航の身の回りの世話をしたいという思いを話した。

「私は航君をひとりの男性として好きです。」

突然のすみれの告白にも、妙子は表情を変えなかった。

「姪である私を航君は受け入れてくれなかった。でも赤の他人として航君と出逢うことが出来たら、もしかしたら航君は私を女として好きになってくれるかもしれない。もしその可能性があるのなら、私は・・・。」

「ありがとう。そんなにも航のことを愛してくれて。」

妙子は目に涙を滲ませてすみれの両手を握った。

「わかった。航には私から言っておくわ。航の為に家政婦さんを雇ったからって。あとはすみれちゃん次第よ。頑張って。」

「はい!」

「大丈夫。航はきっとすみれちゃんを好きになる。」

妙子の言葉に励まされて、すみれの中に希望の種が芽吹いた。





――そしてその年の初夏――



すみれは航や桔梗と過ごした懐かしい家の前に立っていた。

航との新しい出逢いに、胸の鼓動が高鳴った。

すみれは大きく息を吸うと、呼び鈴の丸いボタンを押した。

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