バイバイ、リトルガール ーわたし叔父を愛していますー

楓

――３年後――



暖かな春の午後。

木々の新緑を眩しい太陽の光がキラキラと照らしていた。

自然豊かな森の中にある小さな教会のチャペルで、すみれと航は結婚式を挙げた。

列席者は航の養父母である迫田要一、妙子夫妻、すみれの親友の川中琴子や大原悠などごくごく身近な人間だけを招いて行われた。

その中にはすみれがこっそり呼んだ、犬飼保志や君塚麗華の姿もあった。



「すみれ。夢が叶ってよかったね！私、自分のことのように嬉しい。」

桜色のワンピースを着た琴子はすみれに抱きつき、涙を浮かべた。

「ありがとう。琴子。」

琴子も秋に挙式を控えている。

「私の結婚式には友人代表のスピーチお願いね。」

「うん。喜んで。」



大原悠はすみれに右手を差し出した。

すみれも悠の右手を握り、固い友情の握手をした。

「今度、お祝いに乾杯させて欲しいな。」

悠の言葉にすみれの瞳が揺れた。

「何に乾杯？」

「我々の輝く未来へと続く恋に、乾杯！」



すみれは純白のウエディングドレスに身を包み、薄いベールから透けて見える夫、航の姿に見惚れた。

グレーのタキシードを着た航も、新妻すみれをみつめ、眩しそうに微笑んだ。

「すみれ。最高に可愛いよ。」

「航君こそ、最高に格好いい。」

「君が俺の奥さんになるなんて、まだ信じられない。」

「私は航君以外のお嫁さんになることなんて考えられない。貴方は私のオンリーワンだから。」

「一生すみれを大事にする。」

「うん。」

「すみれ・・・愛してる。」

「私もずっとずっと航君だけを・・・愛してる。」

航はすみれのベールを持ち上げ、すみれの唇にそっと触れ、誓いのキスをした。