光の行く末は【転生したら、魔王の側近でした×アテナ・イェーガーシリーズ】

ロネがルーチェにどう声をかけようか思案している間、ルーチェの頭にとある考えが浮かんだ。それは、ルーチェの中で腑に落ちるものだった。

「クラル様の様子がおかしくなったのって……消えた呪具が原因だったりするのかな」

「……呪具、ですか……俺は詳しくないので分かりませんが、もし本当に呪具が原因だとすれば一体どうしたらクラルさんを助けられるんですか？」

「……その呪具を持ってる者を、正気に戻す……もしくは」

「もしくは……？」

「……呪いをかけられた本人が、自力で呪いを解くしか今のところは方法はないかな」

「自力で呪いを解くのは、難しそうですね……」

ロネの呟きに、ルーチェは「そう。だから、呪具を持つ者を探し出す方が手っ取り早いんだよ」と返す。

「でも、どうやって探し出すんですか？」

ロネの問いかけに、ルーチェは何も答えられなくなってしまった。今ルーチェがいるここは、異世界なのではないか、とルーチェは考えているためだ。

「……あの、ここにいてもどうすることも出来ませんし……移動しません？俺、今から家に帰るところなんですが、ルーチェさんも来ませんか？事情を話せば、帰れるまで家に泊めてもらえるかも！」