臆病な私の愛し方

怒りのテイキさん

 その何日か後。
 私は提出が遅くなりそうなグループ課題を終えるため、いつもより学校からの帰りが遅くなる。

「青沢さん、もう帰るよね?俺、送るよ!」

 声を掛けてきてくれたのは同じグループの男の子。
 明るくて前向きで、とても調子がいい人。

 私の少し苦手なタイプだ。

 …テイキさんだったら嬉しかったのに…
 でもきっと、テイキさんは忙しいから…

 今はいないテイキさんを想いつつ、グループの他の女の子の勧めもありその子と帰ることに。

「青沢さんは彼氏いないの〜?いたら送ってもらえるのにね~…」

 居づらい…

 私はその子のペースにのまれて苦笑いをするばかり。

 早く家に着きたい…
 テイキさんが返事をくれなくても良い、テイキさんに愚痴を聞いてもらいたい…


 そんな状態のまま、やっと地元駅に到着。
 たった数駅の道のりが、今日はとても長く感じられていた。

 私はもうすぐ家に着ける安心感にホッとする。

 すると、近くに見覚えのある姿が…

「あ、テイキさん…!」

 私の声に顔を上げるその姿は間違いなくテイキさんだ。
 私は嬉しさのあまりお礼と別れの挨拶もそこそこに、送ってくれた男の子のことを置いてテイキさんに駆け寄る。

「こんなところで会えるなんて嬉しいです…!お仕事帰りですか?」
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