臆病な私の愛し方
 次の日、私はやっとテイキさんに今までのことを打ち明けることができた。

 叔父さんに一緒に暮らさないか提案されたことの他、テイキさんに会えたときのこと、学校やアルバイトをしばらく休んでいたこと。
 叔父さんから聞いた話や、家には叔父さんのことが書かれたものなど一切無かったことも…

「…テイキさんには悪くて言えなかったんです…こんなことで迷惑をかけるなんて…。でも私、結局テイキさんに迷惑を…」

 打ち明け終えた私は、泣きそうになりながらテイキさんに頭を下げる。
 するとテイキさんは下を向いたまま苦しげな表情のまま首を振り、

「ごめんな…」

と謝り私を抱き締めてくれる。

「っ、テイキさんのせいじゃないです…!」

 私がもっと早く打ち明けていれば、テイキさんにこんな思いをさせずに済んだのに…
 もう二度と、テイキさんに隠し事は止めよう。

 私はそう、心に誓った。

 せっかく私のそばにいてくれるテイキさんに、こんなに辛そうな顔をさせてしまうくらいなら…


「…ナツ、その男はいつも何時頃に来るんだ?」

 テイキさんは真剣な様子でそう私に尋ねる。

 そう、逃げてばかりも居られない。
 あの叔父さんの部下の人が、もうすでにテイキさんのことを見つけて調べ上げているかもしれないのだから。

 私は叔父さんのよく来る時間をテイキさんに教えると、

「…ナツ、行けるか?」

テイキさんはそう尋ねながら私に手を差し出し、私は覚悟をしてから頷いてテイキさんの手を取った。
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