御曹司くんには婚約者がいるはずでは!?


「森下ちゃん、はい、あーん」

「やめろ」

「ほんとツンデレなんだから〜。下の名前で呼ぶよ?」

「みんなの前では絶対嫌って言っただろ」

「はいはい、ふたりきりの時だけねっ」


こっちが恥ずかしくなるようなやり取りを真っ昼間の食堂で繰り広げているのはのんちゃんと結城くん。


ふたりも舞踏会が終わってすぐ付き合い出したらしい。


もちろん、結城くんからの告白で。


こうなるのは時間の問題だと思っていたけどね。すごく相性が良いと思っていたから。


「結城、俺たちの存在忘れるなよ」


そんな二人のテーブルを挟んで反対側に座っている琳凰くんと私。


そう言う琳凰くんも2人だけの世界に入っちゃう時があって、恥ずかしくなるようなことを言ったりしてきたりすることがあるけどね。


色々思い出して少し頬が緩んだ。

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